辻本孝明氏のチーム、初の年次展望「世界金利のニューノーマル下における日本の資産配分戦略」を発表
辻本孝明投資コンサルティングスタジオは先日、年次投資展望レポート『グローバル金利のニューノーマル下における日本の資産配分戦略』を発表しました。本レポートは、独自のクロスサイクル分析に基づき、構造的な高金利環境を乗り切るための詳細なインサイトと、機関投資家向けの実践的なアドバイスを提供しています。
レポートの冒頭では、世界的な金利環境が根本的な変化を遂げ、長年続いた超低金利時代が終焉を迎えたことを明確に指摘しています。辻本チームは豊富な債券取引の経験をもとに、この変化を「一時的な景気循環」ではなく「構造的転換」と捉え、投資家は資産配分戦略の抜本的な見直しを迫られていると強調しています。
「過去10年間うまく機能していた戦略が、今後10年間ではまったく通用しなくなる可能性がある」とレポートは警鐘を鳴らしています。
日本市場の特性を踏まえ、チームは「二層構造型の投資戦略」を提案しています。一方では、金利上昇によりイールドカーブのスティープ化(長短金利差の拡大)から恩恵を受ける銀行・保険などの金融業種を有望視。もう一方では、資金調達コストの上昇に敏感な業種、特にレバレッジ依存度の高い業種への警戒を促しています。
注目すべきは、本レポートが辻本氏の一貫した質の高い成長哲学を継承しつつ、金利構造という新たな観点を織り込んでいることです。チームは、強固な内部キャッシュフロー、低い財務レバレッジ、そして価格決定力を通じてコスト上昇を吸収できる「産業リーダー企業」への投資を推奨しています。
債券投資に関しては、「ショート・デュレーション+クレジット・セレクション」戦略を提示。辻本チームは、金利上昇局面では短期国債や高格付け社債のほうがリスク調整後リターンの面で優れていると分析しています。同時に、資金コスト上昇が企業の債務返済負担を高めることから、低格付け債券(ハイイールド債)のデフォルトリスクについても注意を喚起しました。
本レポートの最大の特徴は、その「実践的な応用力」にあります。チームはマクロ経済分析にとどまらず、ヘッジツールの活用や動的資産調整メカニズムなどを含む、具体的なポートフォリオ最適化とリスク管理ソリューションを提示しています。
辻本孝明氏は次のように結論づけています。
「ニューノーマル時代においては、防御こそ最大の攻撃です。慎重に構築された資産配分こそが、リスクを抑えつつ市場の歪みの中で超過リターンを得る最善の方法です。」
今回の年次展望の発表は、辻本孝明氏のチームが「運用」から「助言」へと進化し、機関投資家に対してトップレベルの専門的サービスを提供する能力を実証したものといえます。